小さなベッドと大きな夢

2023.12.20

社会人1年目。

僕が住む部屋は、とても狭くて小さい。

大きさにして約5畳程の空間で、テトリスの階段型ブロックのような奇妙な形をしている。

ベッドとロフトのあるスペースを除いてしまえば、歩ける空間は一畳か二畳という所だ。

そんな小さな部屋で、小さな窓から差し込む午後の西日を浴びて僕の一日は始まる。

会社まで徒歩約15分。

仕事が終わればまた15分歩いて小さな部屋へ戻り、小さなベッドで眠る。

そんな小さく平凡な1日の繰り返しだ。

ただ今日はいつもと違って、やけに早く目が覚めた。

「折角だから朝活でもキめるか」と早朝からお風呂に浸かりながら、ローソンのキャラメルラテを飲んでこれからの事をボーっと考えていた。

今年ももうすぐ終わっちゃうなとか。

これからこの生活をずっと続けるんだろうかとか。

自分は何がしたいんだろうかとか。

そんなことを、3時間くらいネットサーフィンしながらずっと考えていた。

ゆっくりとした思考の中で1つ思い出したことがあって、

それが「やっぱり僕はクリエイターでありたい」という夢だった。

このブログを始めるきっかけにもなった夜の屋久島で抱いた思いを、僕は約1年半超しにこの小さな部屋で思い出したらしい。

だから僕は今、久しぶりに純粋な気持ちでワクワクしている。

今まで幾度となく、自分には大きな夢やモチベーションが無いと感じる機会があった。

それは実際真実でもあって、小さい頃からある程度恵まれた環境で育った僕には、「戦争の無い平和な生活を送れるようになりたい」とか「お金の無い弱者にならないためにお金をいっぱい稼ぎたい」とかそういう大きな原動力は無いのだと思う。

ただ、それでも夢は間違いなくある。

それでも「僕には夢なんて無い」と思ってしまうのは、おそらく実現性があるかないかを勝手に判断してしまっているのではないだろうか。

宝くじは買った直後はとてもワクワクしているが、当選番号を1枚1枚確認して終盤まで当たりが無かった時には、例え最後の1枚に当たりの可能性があるにしても「あー……、やっぱ当たらないよな」と希望を失ってしまうものだ。

実現できないと分かった瞬間に、夢は夢でなくなってしまう。

だからこそ、今日思い出したこの夢を忘れないために実現性を考えなければいけないと思った。

取り敢えず環境を変えることから始めようということで、コワーキングスペースを借りて今いる家を退去しようかなとか考えている。

モチベーションがある時にレールさえ敷いてしまえば、後はモチベーションを失っても必死にそのレールの上を走れば自分のやりたい事を見失わないだろう。

夢見るだけの夢にならないよう地に足をつけて、しかし同時に羽を伸ばして自由に飛び回りながら。

小さなベッドに大きな夢を抱いて。

強く楽しく生きていこう。