僕は天才です

2022.08.19

いやー、俺天才だわ。

冗談じゃなく、俺本当に天才だわ……。

他の人に全く負ける気がしないわ、もう永遠にこれだけやって生きていける。

え? 何のことかって?

そりゃ、僕はアニメ監督目指してるわけですから。

そりゃあれですよ、あれ。


プログラミングです。



というわけで今日は、プログラミングについて考えていきたいと思う。

もちろん上で言ったことは嘘で、僕は別にプログラミングの天才ではないし、誰にも負けない気がしない気なんてさらさらしない。一応アマチュアとして仕事してた経験はあるので多少は触れるが、それでもプロの足元にも及ばないだろう。

ただ僕は、圧倒的にプログラミングが向いてるなぁと思う瞬間がよくある。

それはプログラミング中、辛い時でも「あぁ、楽しいなぁ」と思う瞬間である。

「キツいのに楽しいなんて、そんな訳あるか」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、これって誰にでもある経験だと思う。サウナ、マラソン、お化け屋敷、好きな人に見られてる時の小学生の徒競走、SMプレイ。筋トレなんかもかなり分かりやすい。

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このキツいのに楽しいという状態が、僕はプログラミングをやっていると永遠に続くのだ。

2,3時間全く解けない問題にぶちあたって「くそー!!」と叫んでいる時も、心の奥では「あぁ、染みる……」と思っていたりする。普通なら、誰しも「楽しい」という一線を下回ることがあるはずだが、僕がプログラミングをしてる場合はそれがほぼ起こらない。常にランナーズハイなのである。

これを天才と呼ばずしてなんと呼ぼう。

プログラミングが得意かどうかは僕も知らないが、少なくとも大好きだしそれに対して努力が全く苦にならない。そこに対して、何かしら才能というか、他人には無い何かがあるのは間違いないような気がする。

だから今日は、それを創作にどう生かそうかってこと、考えるわけです。



まずは要素分解。

なぜ僕は、こんなにもプログラミングが好きなのか。

たぶん要素はいくつかある。思いつく限り羅列してみよう。

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・他の人はあんまりできないけど自分だけできるという優越感

・すぐに目に見える形になってFBが返ってくる

・答えが存在する

・他人から否定される機会があまり無い(FBに感情が入り込まない)

・キーボード打つのが好き

・1つのものを作り上げていく楽しさ

・常に勉強しながら進むので、前に進んでいる感覚がある

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うーん、こんな感じかなぁ。

では次は、これを詳細に検討してみる。

1.他の人はあんまりできてないけど自分だけできるという優越感

うーん、これは効果として小さくないような気がする……。

僕は文系だし業界もアニメなので、周りにエンジニアがそう多くは無い。他人との相対評価にさらされないことで、井戸の中で小さな鼻がどんどん伸びているのかもしれない。

「他の人より優れている」と思った出来事をきっかけにアクションが増えるという仮説は、振り返るといろんな事例にあてはまっている気がする。模写いいなぁって思えば模写が増えるし、初音ミクいいなぁって言われたら初音ミク増えるし、イラスト1つとっても案外単純に動いているものだ。

いや「他の人より優れてる」という相対評価にするまでもなく、シンプルに「自分ってスゲー」という全能感に近いものだと考えていいだろう。相対評価と絶対評価なんて別にどっちでもいいので、自分に自信を持つことはやっぱり大切らしい。

僕の場合は「プログラミングをやっていること自体が珍しい」という状態なので、行為自体に対して自己陶酔してる感じはする。パルクールやってる奴かっけー、みたいなもんだ。能力関係なくそこに自信を持てるんだったら、それは強いよなぁ。

2.すぐに目に見える形になってFBが返ってくる

プログラミングは、実行すればすぐに間違いかどうかが分かる。出力結果は、ディスプレイに分かりやすく視覚的に表示される。ゲームに近い感覚で、入力に対してFBがすぐに返ってくるという優れた側面があるのだ。

これをアニメ制作で想像してみてほしい。


「うーん、これでうまくできてるのかなぁ……。よし、いったんテストしてみるか」

「「(ヴィィーン)」」

「「(スコア70。色味が単調です)」」

「そっか、色味か! もうちょっと工夫してみよーっと」


おいおい、これは便利すぎだろ。

こんなの絶対ありえないだろう……と思うのだが、まてよ。よくよく考えてみると、ここは結構本質的な所かもしれない。

おそらくだが、ここがプログラミングと創作の一番大きく違う所だ。

3.答えが存在する

上に引き続き、これもその本質に連なるものだろう。

プログラミングでは、それが間違っているか、どこまでできているのか、というのがハッキリ分かる。それも、超客観的な視点で分かるのだ。これは創作とは大きく違う所だと言える。

4.他人から否定される機会があまり無い(FBに感情が入り込まない)

これもまた、本質に連なるプログラミングの大きな特徴だ。

答えが完璧にあるからこそ、完全な客観が存在するからこそ、そしてそれを司っているのがコンピューターだからこそ、そこに対して争いが生まれることはあり得ない。基本的にプログラミングの戦場は人間とのやり取りではなく、コンピューターとのやり取りにある。例え間違っていたとしても、単にパソコンの上のデバッガーが「エラー」と言ってくるだけだ。これがごつい先輩で、「おい! ここ間違ってんだよ、馬鹿野郎!! なんでそう何度もミスするかなぁ……」なんて言われたらすぐにキーボードクラッシュだろう。僕のデバッガーが怖い先輩じゃなくて、本当に良かった……。


まとめ

ということで、早くも知りたいことが分かってしまった気がする。

つまり、「感情を経由せずに正解に近づける」という事じゃないだろうか。

プログラミングは度々起こる間違いに対して、「エラー」という言葉でしか間違いを指摘してこない。それでいて、それを乗り越えればちゃんと前に進める。精神的なダメージをほぼ0に抑えながら、前に進み続けることができる。

だから、僕はプログラミングが「大好き」という訳ではない。

おそらく、圧倒的に「やりやすい」のだ。


それでいて、達成感がちゃんとある。なぜなら、正解があるからだ。達成のラインを超える瞬間が非常に分かりやすいので、なんの不安もなく「やった!」と喜ぶことができる。なぞなぞみたいなものだ。

先にも上がっているように「常に勉強しながら進むので、前に進んでいる感覚がある」という言葉にも繋がるし、「1つのものを作り上げていくのが楽しい」という感覚にも広がっていく。それもこれも、「できた!」というラインが分かりやすいから、達成感を感じやすいのだ。

キーボードを打つのが楽しいのだって、それあってこそのものだろう。


というわけで、プログラミングに啓発された、僕の最強の創作はこんな感じだ。

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1.まずはじめに作品評価サイトを作り、作品の良しあしを評価できる完璧なAIを仕込む

2.更に、面白い作品を作るためにどうすればいいか書いてある完璧な教科書を用意する

3.教科書を見て作品を作りながら「これどうかな」と思ったら、とにかくすぐに評価サイトに投稿する。自分の手元には良いか悪いかが書かれた点数表だけが数値で出力されてくる。間違ってる場合は、またすぐに作り直す(ここはめちゃくはペースが速い。1日100回くらいやる)

4.ひたすら3を続けて、自分の設定した点数に届いたら終了

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すばらしい……。

僕は感動した。

これなら、僕はたぶんいくらでも作品を作り続けることができる。本当に、理想的な環境だ……。素晴らしすぎる……。

これで僕は幸せだぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ




……はっ! ここはどこだ……。ああ、机の上で寝てしまったのか……。ブログを書いてる途中で、ちょうど小指が「あ」の位置に来た所で寝落ちしてしまったようだ。


ずいぶん長い夢を見ていた気がするが、今回の話が夢見がちで実りのないことだったかと言われれば、僕はそんなことは思わない。どちらかと言えば、非常に価値がある思考実験? だったように思う。

「僕の最強の創作」は、あながち冗談ではない。

これは作れないが、それに近いシステムは実は作ろうと思えば作れたりもする。簡単なものだと、自分の好きなアニメを持ってきて、それを見ないで作ってみるとか。これは答えがあるし、すぐに間違っているかどうかというFBをもらうことができる。

ただ、これだけやっていても仕方ないんだよなぁ、どうすれば自分の作品を作る時にこれができるのかなぁ、というのを今はちょこっと悩んでいたりするのです、はい。作品である以上、結局は人の感情に晒してなんぼだしね。他人の評価から逃げてばかりでは、当然だが全くうまくはならないだろう。


ああ、そうだ。もう1つ大切なことを忘れていた。

行為自体に対する自己陶酔。

それをやってること自体がかっこいいし誰にも負けないんだという感覚を、是非持っておきたい。

結局そこが、創作の原点なんだろう。

能力なんて関係ないんだよ。